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【書評】日常生活を事業内容に。【しょぼい起業で生きていくレビュー/要約/感想まとめ】

【書評】日常生活を事業内容に。【しょぼい起業で生きていくレビュー/要約/感想まとめ】
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【しょぼい起業という新しい生存戦略】

生活の資本化という、日常的にしている行為をお金に換えること。

本来お金がかかることをお金をかけずにすることによって、「失敗しようがない起業」について述べられている一冊。

本記事は以下4つで構成されています

  1. 書籍の紹介文
  2. 15個の要約(抜粋)ポイント
  3. 3つの深堀りポイント
  4. まとめ
目次

しょぼい起業で生きていく:紹介文

しょぼい起業は、「会社員」でも、「ニート」でも「意識高い系起業家」でもない、新しい生き方。

コストを限りなく抑えること、日常生活で必要な家や食事を事業内容に組み込むことで、失敗しようがない、失敗しにくい起業について述べられている一冊。

著者の、えらいてんちょう(えらてん)氏は大学卒業後に民間企業に就職することなく、2015年に起業しました。

起業した理由としては「毎朝決まった時間に起きて、スーツを着て、満員電車に乗って会社に通うのが無理」というもの。

はっきり言って、大きな目標や夢があり起業したわけではなく、消去法的に起業したと本でも述べられています。

えらいてんちょう氏の起業内容としては、初期費用50万円ほどでリアル店舗のリサイクルショップをオープンさせた後に、イベントバーをオープンさせました。

そして、えらいてんちょう氏の考えを元にした「しょぼい起業」が他の地域でも発生していて、10店舗以上にもなっています。

「しょぼい起業」は「大儲け」することはできない代わりに、不況時だろうと、お客さんが少なかろうと、中々潰れることがありません。

コストを抑えつつ、自分が日常生活をしていく上で必要なものを、店を出すことで客さんに売っているので、極論売れても良いし、売れなくて良いという考えです。

例えば、どうせ自分が住む家を借りるなら、店舗を借りて店をやりつつ、そこに寝泊りすれば良い。

食事は人間において必要不可欠だから、飲食店を開いて、自分は余った料理を食べれば良い。

時には自分の負担にならない範囲で、ただ働きもして、相手の信用、信頼を得ることで将来的に得をすれば良い。

といった内容です。

少し突拍子もないことを行っている様に感じるかもしれませんが、読めば読むほど、この「しょぼい起業」のやり方なら潰れることは基本的に無いと感じました。

本書は

  • 起業したい
  • そもそも就職したく無い
  • ストレスなく生きて行きたい
  • 大金持ちにならなくても良いから、自分である程度のお金を稼げる様になりたい

と考えている人に是非読んで欲しい一冊です。

【要約】しょぼい起業で生きていく:15個の抜粋ポイント

「しょぼい起業」は、お金をとにかくかけません。借金も原則しません。そのかわり、なかなかつぶれません。

「いつもやっている行為をお金に換える」これが「しょぼい起業」の考え方です。
例えば、車通勤の人が自宅から会社までの通り道の場所に、荷物を運べば、ただの「通勤」が「輸送」になります。

自分が普段お金を払って買っているものを自分の労働で作れば、その分の支出が減り、事実上収入が増加することになります。

農家は現金の収入としては多くないけれど、本来ならお金を支払って購入する食材を自分で作っています。そのため、その分の支出が減り、事実上収入が増加することになります。

自分のご飯を作るのにもお金と時間がかかるので、1人分作るのではなく、10人分作って、余った9人分を売ってみましょう。1人分作るところを10人分作ったとしても、10倍の食材費、10倍の労力はかかりません。

店を借りて、店に住めば家賃がかからなくなります。そして店の商売で儲かったラッキーだし、仮に儲からなくても本来は「家」なのだから儲からなくても問題ありません。

普段は車庫に置いてある車を自分が使わない時に有償で貸し出せば、置いているだけの車がお金を生み出すことになります。

いつもやっている作業をお金に換える「生活の資本化」。すでに持っているものを使ってお金を稼ぐ「資産の資本化」。「しょぼい起業」は不況に強く、つぶれにくいのです。

食品衛生責任者がいなくても、営業許可がなくてもバーは開店できます。市販品をそのまま(缶ジュースを缶のまま売る、カップ麺とポットを置きお客に自分で作ってもらうなど)出す場合は食品衛生責任者はいらないのです。

あなたの店はあなたが商品です。お客さんはバーに酒を飲みに来るわけではありません。バーは空間であり、人が出入りする場所で、みんな人に会いに来るのです。完璧な生ビールが飲みたければビアホールへ行けば良いのです。

普段から人と友好的な関係を築いていれば、協力者は現れます。例えば引越しを手伝ってくれたり、DIYを手伝ってくれたり。

単純接触効果。人はより長く触れているものには自然と好感を持つようにできています。広告もこの理論で成り立っており、だから企業はたくさん広告を出すのです。

「しょぼい起業」は売り上げをすべて現金化してどこかに振り込む必要がないので、「資本」は別に日本円である必要はない。普通の人がお金を払ってやってもらう技術をタダでやってもらったらそのぶん儲かった、と考えるわけです。

店というのは不思議なものでして、誰も来ない店には誰も来ませんし、たくさんの人が来る店にはさらに人が集まってくるという現象があります。

子育てにおいて子供はパチンコ台ではありません。いくら塾や習い事にお金をかけても、かけなくても、できる子供はできるし、出来ない子供は出来ないのです。

【深堀り】しょぼい起業で生きていく:3つの深堀り・考察ポイント

いつもやっている行為を金に換える

「いつもやっている行為をお金に換える」これが「しょぼい起業」の考え方です。

例えば、車通勤の人が自宅から会社までの通り道の場所に、荷物を運べば、ただの「通勤」が「輸送」になります。

※一部わかりやすいように編集

例えば、普段ジムで体を動かす人が自転車でUber Eatsをすれば、いつも通り体を動かして運動している時間が、配送業も兼ねることができます。

運動しつつ、お金を得ることができます。

やっていることは普段と同じでも、少し工夫することでお金を得られるのですからやらない理由は無いですよね。

同じ様に、人間である以上、ご飯を食べなくてはいけないのだから、自分だけの分ではなく10人分作ってしまう。

そして自分の分を除いた9人分の料理を売れば良い。1人分作るところを10人分作ったとしても、10倍の食材費、10倍の労力もかからないからです。

いつもやっている行為、やらざるおえない行為をお金に換えることは、思いつきそうで中々思いつかなく、とても参考になった考え方でした。

アパートではなく、店に住む

店を借りて、店に住めば家賃がかからなくなります。

そして店の商売で儲かったラッキーだし、仮に儲からなくても本来は「家」なのだから儲からなくても問題ありません。

これはかなり極端な考えですし、既に実施している人は少ないと思いますが、潰れない経営を考える上で非常に有効な考え方です。

特に実家が遠く、自分で住む家を借りるしかない人にとっては、是非やってほしい「しょぼい起業」の考え方です。

「店」だけど「家」なのだから収益が発生しなくても問題ない。

だって「家」なのだから。

儲かったらラッキー。儲からなくても本来支払う「家の家賃」を払っているだけだから問題なし。という最強の考え方です。

ただ、「家の家賃」として考える以上、借りるテナントの料金も家賃としてありだなと思える範囲内で物件を探した方が良いと思います。

テナント料の上限は月額10万円ほどでしょうか。

ちなみに、えらいてんちょう氏が運営されていたバーは池袋の端っこにあるバーですが、家賃は10万円ほどだそうです。

池袋で10万円なのだから、ほとんどの地域でも探せば家賃と同じか、それに近い金額で店舗を借りることができそうですよね!

この考えを元にしたら、経営が破綻することは考えられないですよね。

だって、一番お金のかかるはずのテナント料が実質無料(家だから)なので。笑

お金を媒体にしない経済活動

「しょぼい起業」は売り上げをすべて現金化してどこかに振り込んだり、する必要がないので、この「資本」は別に日本円である必要はない。

普通の人がお金を払ってやってもらう技術をタダでやってもらったらそのぶん儲かった、と考えるわけです。

本書では、

  • 自分が暇な時に友人の引越しの手伝いをしたり
  • 経営しているリサイクルショップで無料で物をあげたり
  • 知識を披露したい人に聞くことで、業者に依頼したら発生するはずの費用が掛からなくなった

などのことを、えらいてんちょう氏はしていました。

自分が何かを無料で手伝ったら、今度は相手が何かを無料で手伝ってくれる。

リサイクルショップで無料で物をあげたら、そこから常連客になって商品を買ってくれる様になった。

などなど日本円に交換しない経済活動が行われることも珍しくないそうです。

「自分が引越しを無料で手伝ったら、相手が晩ご飯を作って御馳走してくれた。」

お金を媒体にしていませんが、これも立派な経済活動です。しかもこの場合はお金を媒体にしていないので、税金もかかりませんしね。

お互いの信頼関係の元、お金に依存することなく経済活動をすることができるのは強いと思いませんか?

しょぼい起業で生きていく:書評まとめ

「失敗しようがない、失敗しにくい起業」について著者の実体験を元に書かれていて、非常に参考になりました。

特に「いつもやっている行為をお金に換える」、「店舗に住む」これらのことは思いついても既に実施している人は少なく、自分が「しょぼい起業」をする場合、真っ先に取り入れたい考えでした。

店舗の契約の際に、「住居使用の禁止」があることもありますが、店に「泊まる(住む)」のはたまたま仕事が長引いたことで店に泊まり、たまたまそれが毎日続いてしまっただけです。笑

住民票が実家や、友人宅など別の場所にあれば問題ないので、店に住むことは容易にできそうですよね。

そして「しょぼい起業」の考えを元に、多くの人が起業していて、その様子も本書では書かれています。

実際に「しょぼい起業」をした人の話があるので、とても参考になりますよ。

  • 起業したい
  • そもそも就職したく無い
  • ストレスなく生きて行きたい
  • 大金持ちにならなくても良いから、自分である程度のお金を稼げる様になりたい

と考えている人に是非読んで欲しい一冊です。


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